茨城大学 工学部 生体分子機能工学科


教員の研究


准教授  大野 修
無機化合物、金属錯体の電子構造と光反応
osamu.ohno.31

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 金属錯体は生体内で,さまざまな機能を担っています。たとえば,ビタミンB12(Co錯体)やクロロフィル(Mg錯体),ヘム(Fe錯体)などがあります。タンパク質やDNAなどに比べると生体に含まれる量はわずかですが,生命活動を維持する上でなくてはならない重要な働きをしています。私たちの研究室では,主に生体内にも広く分布するポルフィリン錯体について,その機能を化学的な立場から理解し,応用することをめざした研究を行っています。
@ 酸素の電極還元  ヘモグロビンにみられるように,鉄のポルフィリン錯体(ヘム)は酸素O2と結合する性質があります。この性質を酸素の電極還元反応における触媒として利用する研究を行っています。酸素の還元は燃料電池の電極反応でもあり,活性の高い触媒の開発が期待されています。
A 酵素をモデルとした酸素化反応  オキシゲナーゼの一種シトクロムP-450にみられるように,ヘムには酸素化反応を促進するという重要なはたらきがあります。私たちは鉄の錯体だけでなく色々な合成ポルフィリンを用いた酸素化反応の研究を行っています。
B 拡張ポルフィリンの光化学  フタロシアニンやテトラベンゾポルフィリンという合成色素はポルフィリンと類似の分子構造をもった分子ですが,たとえば発光特性や安定性の点ではより優れた性質を示します。これらの拡張ポルフィリン錯体の合成や光化学に関する研究を行っています。

ポルフィリンの立体構造 フタロシアニンからの発光

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