茨城大学 工学部 生体分子機能工学科


教員の研究


教授  小林 芳男
液相反応を利用した機能性材料の作製法の開発
yoshio.kobayashi.yk

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 コロイドとは、微粒子が溶液中に沈まないで浮かんでいるものを呼びます。微粒子には、バルク体にない特性を示すものがあり、それらは様々な分野で応用が期待されています。しかし微粒子は、分子間力や静電引力が働くため、粒子同士が凝集しやすく、せっかくの微粒子の特性が失われるという問題点があります。これを防ぐ方法の一つとして、シェルで粒子を包む方法、すなわち、コア―シェル状(カプセル状)に粒子を複合化する方法があります。これにより、粒子同士の衝突が妨げられ、凝集を抑えることができるのです。当研究室ではこのような機能性材料として応用可能な微粒子およびコア―シェル粒子の合成に関する研究を行っています。
 コアシェル粒子の研究例として医療用造影剤への応用を目的とした複合粒子の研究があります。現在市販されている造影剤はアレルギー等の副作用を発現することが心配されています。そこで当研究室では、造影能を持ったコア粒子をシリカでコーティングした、医療検査で安全に利用できるカプセル化粒子の合成法を開発しました(図1参照)。さらに、このようなカプセル化粒子の表面に病巣と作用する物質を取り付けることで、病気の場所を特定できると予想されます。現在、実用化に向けてさらに研究を続けています。
 この他にも、金属接合用ナノ粒子や電子デバイスへの利用を目的としたナノチューブやナノ粒子表面担持型複合粒子(図2参照)の作製法の開発に関する研究も行っています。

図1.シリカカプセル化AgIナノ粒子の電子顕微鏡写真. 図2.Auナノ粒子表面担持シリカ粒子の電子顕微鏡写真.

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