茨城大学 工学部 生体分子機能工学科


教員の研究


教授  五十嵐 淑郎
分離計測システムおよび医療診断薬の創造に関する研究
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 五十嵐研究室では、オリジナリティーの高い化学反応を利用した最先端の“分離とセンシングの化学”を研究しています。分析化学の基本は、“測定(分析)を通して真実にせまる”という考え方です。これまで測ることができなかったものを、新しい分析方法を作り出して、真実の解明に挑戦することが、本来の研究であると考えています。分析対象は、病気診断、生体、環境、材料、食品など広範囲ですが、基本的には“社会的にニーズの高い超微量成分”の新しい分析法の開発が目標になっています。“超”の定義ははっきりしています。公知のデータより、千(10)倍あるいは千分の一(10−3)倍優れているものを“超”としています。これは、最先端より3桁先には必ず新しい概念があるからです。
 例えば、研究室では、これまでポルフィリンという化合物を合成してきました。二十数年前には、この化合物は“超”高感度試薬と呼ばれていましたが、この時の“超”の定義は既存の試薬を10倍高感度化されただけでした。その十年後、新しい化学反応として触媒を用いる接触反応が生まれ、感度は5000倍ほど増大しました。最近では、触媒を自ら増殖する自己触媒反応が創出され、感度は無限大(∞)となりました。無限大になってはじめて“超”の定義も必要なくなりました。理論上は30万リットル中の1分子、1原子を人間の目とストップウォッチで分析することができます。
 化学反応の発展は日進月歩ですが、その起点となる化学反応の発見は、時空を遥かに飛び越えることができ奇跡を生み出します。研究室発信の世界に誇れる分析法にはニックネームを付けています。
 Let's challenge to chemistry!


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