茨城大学 工学部 生体分子機能工学科


教員の研究


准教授  北野 誉
塩基配列やアミノ酸配列の系統解析および多型解析
takashi.kitano.evolution

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 DNAにコードされている遺伝情報がmRNAに転写されて、それからアミノ酸に翻訳され、そしてタンパク質として機能します。DNAの配列が突然変異によって、微小な変化を起こすと、アミノ酸が変化し、結果的にタンパク質の機能が変化することがあります。生物はそのようにして進化してきました。当研究室では、DNAレベルでの進化的変化に関する研究をさまざまな遺伝子について行っています。
 例えば、ABO式血液型は、細胞表面に存在する糖鎖が微妙に異なり、それが抗原として抗体に認識されて、 血液型として判別されます。このABO式血液型を決定する遺伝子は、細胞表面に糖を付加させる酵素をコードしている遺伝子です。ABO式血液型遺伝子座に位置するA対立遺伝子から作られるA型酵素がA型の糖を付加し、B対立遺伝子から作られるB型酵素がB型の糖を付加します。AB型はAとB両方の対立遺伝子をもっており、一方O型はどちらの対立遺伝子ももっていません。
 このA型酵素とB型酵素の機能的な差異は、2つのアミノ酸変化を伴う2つの塩基の変化によって起こっています。このようなDNAの変化が、どのようなメカニズムで進化し、そして維持されているのかを研究しています。
 ABO式血液型遺伝子の解析以外にも、Rh式血液型遺伝子や、その他さまざまな遺伝子の系統および多型に関する研究も行っています。

ヒトの血液凝固因子FXIIIBの多型 テナガザル3種のABO式血液型遺伝子の系統ネットワーク

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