茨城大学 工学部 生体分子機能工学科


教員の研究


准教授  東 美和子
分光法及び分子軌道計算を用いた有機材料の電子状態の解明
miwako.higashi.rue

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 シクロデキストリンを素材にして、包接という現象について研究をしています。シクロデキストリン(Cyclodextrin, CD)は環状オリゴ糖で、医薬、食品および衣料品分野などの広い分野において活用されています。食品のパッケージの原材料名の中に、環状オリゴ糖やサイクロデキストリンとして表示された食品を探してみてください。身近なところで利用されています。
 シクロデキストリンは台形の筒状構造をしています。筒の内側は疎水(水となじみにくい)空間ですが、筒の外側には親水基があり、シクロデキストリンは水に溶けやすい性質を持っています。その筒の内側に別の分子(ゲスト)を取り込むことができます。これが包接と言われる現象で、ゲスト分子の性質が変化したりします。この性質を利用してシクロデキストリンはさまざまな分野に利用されています。
 液体中で、シクロデキストリンがゲスト分子を包接する現象を探るため、円二色性スペクトルを使った実験や分子軌道法による計算を行っています。

左図:シクロデキストリンとゲスト分子であるナフタレン(C10H8)の大きさを比較したものです。ゲスト分子によって、包接の状態が変わります。
右図:シクロデキストリンにゲスト分子が包接した状態を、PM6法で計算したものです。


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